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新規開拓営業のコツ その2~アポイントの取り方~【産業 学】

2011/11/28
産業 学 

6回シリーズでお届けする“新規開拓営業のコツ”。第2回目は『アポイントの取り方』についてご説明いたします。

 

その1.事前準備

その2.アポイントの取り方

その3.初回精査

その4.2回目以降の訪問

その5.クロージング

その6.アフターフォロー

 

 

アポイントを取る手段は、①電話②メール③手紙(封書)などが考えられます。最も手軽で一般的なのは、電話ですね。メールも手軽ではありますが、先方のメールアドレスを正しく把握している必要があります。新規開拓先で、これから初めてお会いする方のアドレスを事前に入手するというのは、なかなか難しい話です。手紙(封書)も大変有効な手段ですが、メール同様ご担当者の部署やお名前を事前に把握するのは非常に困難です。本稿では電話でのアポイントを中心にご説明いたします。

 

1.原稿を用意しておく

個人差はあるかもしれませんが、多くの人は電話で見ず知らずの人と会話をする際、非常に緊張します。それほど緊張しなくても、淀みなく言葉が流れ出るようになるまでには、相当な“慣れ”が必要です。また、行き当たりばったりでは、本当に相手に伝えたいことも、なかなか伝えることができません。お客様に直接お会いしてお話をするのであれば、相手の顔色を見ながら会話を進めることもできますが、電話となるとそれもままなりません。そこで、電話ならではの見えないというメリットを活かして“原稿を読む”という方法が考えられます。先方はこちらの様子が見えませんので、原稿を読み上げているか否かは、なかなか分かりません。勿論棒読みにならないように十分に練習をする必要があります。練習に関しては次節以降で触れます。

原稿といっても、一言一句文章にする必要はありません。伝えたいことや、お聞きしたいことを予めメモとして書き出しておくだけでも有効です。

 

2.ゴールを明確にする

“原稿を用意する”に付随しますが、ゴールの設定は非常に重要です。テレアポ(電話でのアポイント)経験談でよく耳にするのが、「電話をかけても相手にされない」「すぐ切られた」「話を聞いてくれないので凹んだ」「全くアポイントが取れない」などです。多かれ少なかれ、営業マンであればこのような経験があると思います。先方からすれば、“見ず知らずの人間が、こちらの都合も考えずにいきなり電話をしてくる”わけですから、自分たちには不要と判断されれば、無碍な扱いをされても致し方ありません。ですので、電話に出た方に“不要”と思われないような投げかけをすることによって、いわゆるガチャ切りを回避することができます。それがゴールの設定ですね。正確にはゴールへの道筋といった方が良いかもしれません。“テレアポだからアポイントを取るのがゴールではないの?”と思われる方も多いと思いますが、大事なのはその先です。そもそも何のためにアポイントを取るのかといえば、お客様と商談をして、ご契約をいただき、継続的なお取引をいただくためです。ですので、初回の電話掛けでは、アポイントが取れれば何よりですが、それ以外にも今後の取引に必要な様々な情報を聞き出すことが肝要です。具体的には、担当部署・担当者は当然のこと、提案したい商品に対するニーズ・競合商品の利用状況から、会社の方針・経営者の考え方、などです。当然、これらはいきなり聞こうとしても、直ぐに教えてもらえないケースが殆どです。まずは、“自社がどういう会社で、今後どのようなお付き合いをしていきたいか”を伝えることで、上記の情報は聞き出しやすくなります。最近は、多くの企業が自社HPを持っているので、会社の方針等はアタリが付けられます。“この電話は切ってはいけないな”と感じていただけるような会話が重要ですね。

 

3.練習する

練習は大事です。余程の熟練者でないかぎり、電話で意のままに思いを伝えるということはできません。コミュニケーションというものは、存外難しいものです。逆に、熟練者といわれる方ほど、人知れず努力を積み重ねています。

練習のときの注意点は、①声色、②スピード、③相手の出方です。電話での声は、通常よりも低めに伝わると言われています。日常会話程度の声高で話すと「暗い」「怖い」印象を与えてしまう可能性があります。とは言え、必要以上にハイテンションで会話をすると、五月蠅い印象を与えてしまいます。テレアポ専門のアルバイトがキンキンした声でかけてきた電話を受けた経験のある方も多いと思います。文章ではちょっと表現しにくいですが、目安は“ちょっと気取った嬉しそうな声”です。“嬉しそうな”というのがポイントですね。恐らく自然と朗らかな表情になっていると思います。周囲からは「楽しそうに仕事をしているな」と思われるか「気持悪い」と思われるか、その辺は気にしないようにしましょう。“私は貴方とお話ができて非常に嬉しい”という好意を、相手に伝わるように声色で表現するのです。会話のスピードも同様です。人間は緊張すると、ついつい早口になってしまいがちです。逆に、忙しいときにゆっくり話されても苛々が募るだけです。“早すぎず、テンポよく、歯切れよく”がポイントですね。

自分の電話の声を自分で聞く機会はなかなかないので、①②は難しいと思いますが、“普段話している相手に聞いてみる”“留守番電話に吹き込んで聞いてみる”などしてみても良いかもしれません。

“③相手の出方”は、電話掛けに限らず、営業トーク全般に通ずる要素です。電話の場合は、この“相手の出方”が非常に想定しやすいので、営業トークを磨く良い練習にもなります。

例を挙げてみます。

電話に出た方が、A:自分がアポイントをいただきたい方 or B:それ以外の方 では対応が異なります。

Aであれば、己が何者であるか、訪問の目的などを端的に伝え、アポイントを頂戴すれば良いですが、Bの場合は、ご担当者の部署やお名前を聞き出す必要があります。また、居留守を使われている可能性もありますので、その際は、Bの方では判断に困る、或いはBの方以外に取り次いで判断を仰ぎたくなるような投げかけをすると効果的です。“○○について分かる方”や“○○のご案内をする際には、どなた宛に差し上げればよいか”などの文句は比較的有効です。

お目当ての方が直接電話にでることは少ないと思いますので、如何にB→Aの流れを掴むかが肝要となります。

 

 

少し長くなってしまいましたが、要約すると“相手を思いやる”ということですね。逆の立場で考えると分かり易いと思います。忙しい時に突然、会ったこともない人間から電話があったら、どういう印象を抱くか、どのような会話をしたら、快く対応できるか、ご自身の経験も踏まえてご一考いただくと良いかと思います。

 

次回はアポイント取得後の初回精査についてご説明いたします。

 

 

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