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新規開拓営業のコツ その6~アフターフォロー~【産業 学】

2012/03/26
産業 学 

6回シリーズでお届けする“新規開拓営業のコツ”。最終回の第6回目は『アフターフォロー』についてご説明いたします。

 

その1.事前準備
その2.アポイントの取り方
その3.初回精査
その4.2回目以降の訪問
その5.クロージング
その6.アフターフォロー

 

苦労の末、ようやく案件も締結できて、営業マンの仕事はこれでお終い。と思って気を抜いてはいけません。顧客満足の高低は、アフターフォローの有無で大きく異なります。では何故顧客にご満足いただく必要があるのでしょうか?“売れればそれで良い”などと考えている方はいないと思いますが、念のため確認です。それは顧客の満足こそが、次なる新規顧客開拓に繋がる第一歩だからです。

 

言葉としては良く聞きますが、実際“満足”とはどういう状態なのでしょうか。
商品を導入する前の状態(期待値)と導入後の状態(実感した価値)を比べたとき、後者が前者を上回った場合、顧客は“満足”していると言えます。“期待値>実感した価値”のときは勿論、“期待値=実感した価値”でも“満足”にはなりません。すなわち“不満”です。
では、どうしたら“期待値<実感した価値”となりうるのでしょうか。

 

分かり易いパターンは次の2つです。
①そもそも、それほど期待していなかったが、使ってみたら存外良かった
②相応に期待していたが、それ以上に良かった。

 

①に関しては、そもそも期待値が低いわけですから、その値を上回るのは容易に思えます。しかし、それだけ期待値が低い状態で購入に至るでしょうか。“期待していないけど買う”というのは、大して欲しくもないモノに金を払うわけですから、よっぽど安いのか、或いは資金的な余裕があるのかですね。このような状況を期待するのは、現実的ではありません。
そうすると、大抵の場合②ということになりますが、これはこれで難しいものです。
自らが説明して、顧客に納得していただいて、購入時に顧客が期待した以上の価値を実感してもらわないといけないわけですから。

 

では、どうしたら良いのでしょうか。
a.顧客の期待値と想定しうる顧客の実感する価値との差を予め埋めておく
b.クレームが生じたときの対処法を講じておく
c.クレーム発生時には迅速に対応する
の3点ですね。いきなりクレームという、やや後ろ向きな言葉がでてきましたが、クレームは顧客からの貴重なご意見ですので、対応次第で満足度も向上します。順を追ってご説明しましょう。

 

a.顧客の期待値と想定しうる顧客の実感する価値との差を予め埋めておく
そんなことできるのか?と言われそうですが、不可能ではありません。言い換えると、顧客の期待値を予め数値化しておくといこうことです。前回、クロージングの際には当該商品導入時の顧客便益や成功事例を数値を使って具体的に説明することが大切と説明しました。このときに、“御社の場合”という数値を具体的にシミュレーションして提示するのです。提示したその数値が判断の基準になりますので、数値達成⇒満足、数値未達成⇒不満足ということができます。当初の商談では会話に挙がらなかったような話が後から出てくることもあります。“そんなことは聞いていない”と突っぱねたい気持ちも分かりますが、そういうときは相手も感情的になっています。まずはじっくり相手の話を聞いて、“当初はこのようにお話しされていましたね。○○の数値はこの様に達成して改善も見えていると思います”などと、一旦は引いておいて、その後、理と礼を尽くして説いていけば、状況も見えてくるはずです。もっとも、大前提としてシミュレーションの数値を達成していなければならないですが、それは次でご説明します。

 

b.クレームが生じたときの対処法を講じておく
こう書くと、“最初からクレームが出ると思って仕事をしているのか?!”とお叱りを受けそうですが、クレームというのは大なり小なりあるものです。大事なのはその時の対応方法です。過去にあった問い合わせやクレームとその対応結果を整理しておくと良いでしょう。
実は、いわゆるクレームは、ほんの些細なことをきっかけとして生まれることが多いのです。最初はちょっとした問い合わせや意見だったものが、その時の対応がいい加減で大きなクレームになることが少なくありません。逆に、顧客の意見を酌みとって真摯に対応すると大変感謝され、満足度が上がります。“クレームも対応次第で感謝の言葉”とはこのことですね。

 

c.クレーム発生時には迅速に対応する
これも当然のことなのですが、人はマイナスの事象からは目を逸らしたいものです。クレームも同様です。できれば逃げ出したい、そんな気分に追いやられることもあるでしょう。しかし、前述の通り、クレームは初期対応が非常に重要です。臆せずに迅速に対応しましょう。

 

顧客にとって“モノを買う”という行為は、契約をしたり代金を支払ったりという、その瞬間だけではありません。事前の調査や営業マンとのやり取り、購入後の一定期間も全部含めた活動が、“買い物”なのです。購入した商品そのモノに対する満足度が低かったとしても、事前事後の対応如何では、顧客満足度を高めることは十分に可能です。

冒頭に、“顧客の満足こそが、次なる新規顧客開拓に繋がる第一歩”と申し上げました。一連の購買活動を通して満足した顧客は、その喜びを周囲の人間に触れて回ります。いうなれば、あなたの営業マンとして活動してくれるのです。最近、多くのサイトで“口コミ”による評価が流行っていまるのが良い例です。これは個人の消費に限らず、企業経営者の同業者同士でも同様の情報交換がなされています。“悪事千里を走る”の諺どおり、悪い噂の方が勢いよく伝達されます。
“何よりも顧客のために”を意識した営業活動で、満足度を高め、顧客を味方につけることが望ましいですね。

 

6回シリーズでお届けしてきました“新規開拓営業のコツ”はこれで終了です。
いずれも極めて一般的で基本的な内容だったと思います。しかし、残念ながら多くの営業マンがこれら基本的事項ができていません。数字を意識し過ぎて功を焦ると、忘れがちなことばかりですが、逆に一つひとつ押さえていけば、目に見えて成果として顕れることでしょう。

 

次月以降では、営業現場で役立つコミュニケーションスキルについて説明していきたいと思います。

 

 

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