中小企業経営
昨年の大震災から原発事故の一連の流れと国、自治体と電力会社などの組織体での対応策をリスクマネジメント(RM)の視点でみると色々考えされられた人は少なくないだろう。M9の地震、高15m以上の津波、全外部電源を失った原発事故、全村避難などの事態を”想定外”であったという言葉で議論されることが少なくないことはどうしてだろうか。
それぞれの立場での「リスク」への幅広い「想像力の欠如」、言い換えれば「思考停止」のようなことが行われていたことが、問題を大きくした原因にあるのではないのだろうか。
民間企業に勤めた経験から、まず企業として”想定外”という言葉は許されず、そうなった時には、その事業は生き残ることも出来ず、場合によっては企業自体が潰れてしまうことにもなる。前述した組織には、それぞれ立派な「リスクマネジメント」という考え方があっただろうが、実際には対応出来なかったのだろう。
が、やはり根本問題は、国(国民)全体の意識・覚悟・認識に一番の問題であったように思える。 例えば、安全神話、自分とは無関係、発生頻度は極めて低い、起こりそうもない事、何でも上部組織などへの依頼心、余計な事に金・時間を掛けないことがより効率的である・・・・など思うようになってきていたように思える。
このような状態を”思考停止”状態(想像力の欠如など)と言うのではないのだろうか?
昨今の日本が、そういう”ムード、空気など“に覆われる傾向にあったことが、今回のような大きな災害・事故を引き起こしてしまったように思えてならない。皆さんは、如何思われるだろうか。
思考停止 【遠藤弘之】
遠藤 弘之
昨年の大震災から原発事故の一連の流れと国、自治体と電力会社などの組織体での対応策をリスクマネジメント(RM)の視点でみると色々考えされられた人は少なくないだろう。M9の地震、高15m以上の津波、全外部電源を失った原発事故、全村避難などの事態を”想定外”であったという言葉で議論されることが少なくないことはどうしてだろうか。
それぞれの立場での「リスク」への幅広い「想像力の欠如」、言い換えれば「思考停止」のようなことが行われていたことが、問題を大きくした原因にあるのではないのだろうか。
民間企業に勤めた経験から、まず企業として”想定外”という言葉は許されず、そうなった時には、その事業は生き残ることも出来ず、場合によっては企業自体が潰れてしまうことにもなる。前述した組織には、それぞれ立派な「リスクマネジメント」という考え方があっただろうが、実際には対応出来なかったのだろう。
が、やはり根本問題は、国(国民)全体の意識・覚悟・認識に一番の問題であったように思える。 例えば、安全神話、自分とは無関係、発生頻度は極めて低い、起こりそうもない事、何でも上部組織などへの依頼心、余計な事に金・時間を掛けないことがより効率的である・・・・など思うようになってきていたように思える。
このような状態を”思考停止”状態(想像力の欠如など)と言うのではないのだろうか?
昨今の日本が、そういう”ムード、空気など“に覆われる傾向にあったことが、今回のような大きな災害・事故を引き起こしてしまったように思えてならない。皆さんは、如何思われるだろうか。
インフルエンザと企業経営に見る、リスク管理 【岩本 亨】
岩本 亨
先日、とあるセミナーの打上げの会食があった。講師4人とスタッフ3名。私も参加した。隣に座ったS先生が時折咳き込んでいるのが気になったものの、楽しいひと時を過ごした。翌日S先生より、「病院でインフルエンザA型と診断された。前日から熱っぽかったが、会食の魅力に誘われて参加してしまった。申し訳ない。」との連絡があった。次の日会食に同席していたKさんが、インフルエンザA型と診断された。私もその日から、なんとなく調子が悪く、胸の痛みやせきの症状が出ていた。夜になって発熱した。「とうとう私も・・・」と、弱気になると同時に、次週に予定されているセミナーやコンサルティングのアポイントをどうすれば良いか?と悩んだ。S先生に対して「風邪の症状が出ているのだから、参加を遠慮できなかったのか?」と腹立たしく思った。翌日病院に行き、検査をしたところインフルエンザは陰性だった。医師に「ただの風邪」と言われ、安心すると同時に、情けない自分を確認した。
こんな事態を防ぐためにはどうすればよかったのか?以下の三点に集約される。
①まず、S先生が参加しないこと。
②私自身がインフルエンザの予防接種を受けていること。
③リスクヘッジとして、代替講師を想定していること。
これを企業経営に例えてみる。取引先(S先生)が倒産し、連鎖倒産が発生(Kさん)、同じ状況の私があたふたしている状況である。上記三点については、以下の対応であろうか。
①危ない会社と付き合わない。または、与信管理をしっかり行うこと。
②「経営セーフティ共済」(中小企業倒産防止共済制)を活用し、毎月一定額の掛金を積み立てておくこと。
あるいは、セーフティネット貸付制度等、連鎖倒産を防ぐ施策を研究しておくこと。
③社長が何らかの事情で機能できなくなった時、誰がどのように代替するのか事前に決定しておくこと。
リスクを想定し、事前対応が可能なことについてきちんと備えておくことは、リスク管理の基本。弊社の研修プログラムとしても提供しているが、講師を担当しているものとしてきちんとできていなかったことに気づき、反省した次第である。
「儲かる仕組み」「売上倍増のマーケティング」の道も一歩から 【鈴木健彦】
鈴木 健彦
こんにちは。鈴木健彦です。
よく「儲かる仕組み」とか「売上倍増のマーケティング」といったテーマの書籍やセミナーを見かけます。
しかし、「もしドラ」(注)ブームを契機とした経営学ブームで、簡単に儲かるような仕組みを短絡的に求めるのではなく、その背景にある理論からしっかり学ぼうという風潮が出てきたのは喜ばしい限りです。
実際、経営学をしっかり学べば、さまざまな書籍やセミナーで見かける売上アップの手法は、自分で考え、思いつくことができるようになるからです。
私がMBA課程で感じたのは、まさにこの面白さでした。
しかし、本当に難しいのはここからだと思います。
「儲かる仕組み」も、実行するのは人間です。自分です。仲間です。同僚や上司です。
スキルのばらつきがあって、仕事のえり好みがあって、気分の浮き沈みがあって、サボりたいときもあって、人間の好き嫌いがあって、ついつい飲みすぎちゃったりして・・・。
多くの経営学の書籍では、戦略を実行計画に落とし込むための具体的なツールは、あまり用意されていません。
一応、企業風土や戦略、社員のスキル等を総合的に判断するフレームワーク(「7S」など)もありますが、それでも現場のドロドロした人間関係や大事な時にビビってしまう営業マンの感情まで制御できるものではないのです。
そこで重要なのは、決めたことを一歩一歩実現していく姿勢だと思います。
『コツコツと、まじめに、細かいことを一つひとつこなしていき、また部下にやり遂げさせる。
そんな企業が、最終的には強い力を持つようになる。』
時間はかかりますが、中小企業はそうやって成長するものだと思います。
大企業、特に韓国の大企業などは、莫大な資金をテコにヒト・モノ・技術を集め、ものすごい勢いで成長しますし、経営学もそういった手法に関する研究が多いです。
ですから、経営学をそのまま中小企業経営に持ち込むのは、けっこう危険なことなのです。
私も含め、中小企業の方が経営学を学ぶ際には、「実行」という視点を忘れないようにしたいと思っています。
(注:『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』ダイヤモンド社刊)
「年頭の決意」を文章にしてみる。 【岩本 亨】
岩本 亨
あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします
2003年以来、年初に「年頭の決意」をまとめている。今年で10年目である。
始めたきっかけは、中小企業診断士資格取得の受験勉強をしているときの、講師の一言だった。
当時「資格の学校TAC」の中小企業診断士講座を受講していた。講師の三好隆宏先生が年末の講義で、概略以下のような話をされた。
「自分が何のためにこの資格を取得しようとしているのか? 取得したらそれをどのように活用して、どんな人生を送りたいのか?改めて整理してみてください。年末年始を良い機会として文章にすることをお勧めします。」
私は、2002年に一次試験は合格したものの、二次試験は不合格だった。翌年の二次試験合格に向けて、受験勉強を続けていたが、マンネリ化していた。
半信半疑で作文してみた。資格取得を目指した理由を改めて振り返り、そこに新しい気持ちも盛り込んで文章にした。
幸いにも翌年合格することができた。翌年の正月に、一年前の文章を読み返して、思った。
「昨年はこんなことを目標にしていた。反省点もたくさんあるが、できたこともある。振り返りをもとにして、今年も『年頭の決意』を作文しよう。」
以来、9年間続けてきて、今年が10年目である。今年もこれからまとめようと思い、9年間の文章を読み返した。様々な気づき、反省がある。それをもとに今年一年を考える。
「一年の計は元旦にあり」、お正月に自分の人生を振り返り、目標を新たにすることが、自分の成長のために、良い効果をもたらしてくれると信じている。
皆さんにとって今年一年が良い年でありますように。
この時、リーダーは如何に“考動“したら良いのか? 【遠藤弘之】
遠藤 弘之
日経新聞に10月28日と29日と二日続けて、「太陽電池事業、急速なブレーキ」という内容の記事が載っていた。
この市場は、ここ数年の欧州及び中国のニーズに加え、国内ニーズもあり、増産につぐ増産状況となっていた。そのため、国内の関連企業は、太陽電池及びその周辺部材供給メーカー(封止材、バックシート材、その他)も、積極的な投資をし、大変忙しい状況にあったようである。
この状況の中での事態急変に、担当するリーダーばかりか、経営陣は、如何に“考動”しているのだろうかと気になっている。
新聞記事の中で、某経営者等は、業績の下方修正を覚悟する中でも、「目下はお手上げ状態だが、長期では必ず成長市場になるはず」と持久戦での勝利をとの思いを述べている。
問題は、急ブレーキの真の要因が、ギリシャ問題からの欧州経済の萎縮と中国などの新興国の景気減速状況にあるという底の深い問題にある点である。となると、このような経済環境が好転するには、年単位の時間を要するものと危惧される。
こんな時、リーダー等の心の内では、将来への期待が持てる事業であるという信念を持ちながらも、その長い間、この事業継続について、社内で如何していくのかに頭を痛めているのではないかと推測される。
ここで、以前に読んだ本「ビジョナリーカンパニー」(J.C.コリンズ等)の中の言葉が思い出される。それは、「偉大なカリスマ的指導者の必要性より、長く続く組織を作り出すことが大切」という言葉である。
こういう機会だからこそ、ぜひ、この本を、再度、読まれることをお薦めしたい。