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インフルエンザと企業経営に見る、リスク管理 【岩本 亨】

2012/02/06
岩本 亨

先日、とあるセミナーの打上げの会食があった。講師4人とスタッフ3名。私も参加した。隣に座ったS先生が時折咳き込んでいるのが気になったものの、楽しいひと時を過ごした。翌日S先生より、「病院でインフルエンザA型と診断された。前日から熱っぽかったが、会食の魅力に誘われて参加してしまった。申し訳ない。」との連絡があった。次の日会食に同席していたKさんが、インフルエンザA型と診断された。私もその日から、なんとなく調子が悪く、胸の痛みやせきの症状が出ていた。夜になって発熱した。「とうとう私も・・・」と、弱気になると同時に、次週に予定されているセミナーやコンサルティングのアポイントをどうすれば良いか?と悩んだ。S先生に対して「風邪の症状が出ているのだから、参加を遠慮できなかったのか?」と腹立たしく思った。翌日病院に行き、検査をしたところインフルエンザは陰性だった。医師に「ただの風邪」と言われ、安心すると同時に、情けない自分を確認した。

 

こんな事態を防ぐためにはどうすればよかったのか?以下の三点に集約される。

①まず、S先生が参加しないこと。

②私自身がインフルエンザの予防接種を受けていること。

③リスクヘッジとして、代替講師を想定していること。

 

これを企業経営に例えてみる。取引先(S先生)が倒産し、連鎖倒産が発生(Kさん)、同じ状況の私があたふたしている状況である。上記三点については、以下の対応であろうか。

①危ない会社と付き合わない。または、与信管理をしっかり行うこと。

②「経営セーフティ共済」(中小企業倒産防止共済制)を活用し、毎月一定額の掛金を積み立てておくこと。

あるいは、セーフティネット貸付制度等、連鎖倒産を防ぐ施策を研究しておくこと。

③社長が何らかの事情で機能できなくなった時、誰がどのように代替するのか事前に決定しておくこと。

 

リスクを想定し、事前対応が可能なことについてきちんと備えておくことは、リスク管理の基本。弊社の研修プログラムとしても提供しているが、講師を担当しているものとしてきちんとできていなかったことに気づき、反省した次第である。