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思考は夜開く 【長屋勝彦】

2015/03/09
長屋 勝彦

昨日、クライアントと仲間から提案書作成とカリキュラム作成の依頼を受けた。一つ目はD社の人事評価制度の仕組みの構築、二つ目はYさんからの経営革新のカリキュラム作成である。D社社長とは茨城県中小企業振興公社の仕事をしていた時からの既知の仲であり、先月東京都中小小企業診断士協会の実務従事事業を指導員として診断した企業である。

 前者は来週末のD社の役員会にかけるため、その前日までに人制度構築に関する提案書提出を作成して欲しいとの依頼である。社長は、「私も土日にも働いているから、あなたも経営者であれば土日で提案証を作成することができる。」ということで来週末の役員会までに間に合わせ提案することを約束した。

 社長の提案に対して、ざっくりとした金額を提示したが高いというイメージを持たれた。その額は中小企業でなければ当然受け入れられる妥当な額である。社長は前回依頼した中小企業診断士の報酬を25千円/日で引き受けてもらったが、今回の提案の報酬が高いのではと考えておられるようである。これに対し、「公的支援機関からの支援も前提にベストプライスにより作成するが、これからの成長を期待するのであれば提案の内容をみて欲しい、安かろうの提案ではなく、貴社にジャストフィットした提案をしたい。」という話をした。又、ジョークを交え、「企業として飛躍するためには一流を目指すべきで、何時までもラーメンライスではなく、たまには寿司、フランス料理も食べる必要があると思う。」というようなことを話した。社長とはざっくばらんに話ができる間柄であるということを想定しての話である。これに対し、「そうかもしれない、しかし、今景気が良いといって財布のひもを緩めるわけにいかない、オリンピック後は落ちることが明白だから。」いう言葉を聞いた。商工会議所、中小企業活性化センターと相談しベストプライスを出すにしても、「オリンピック後を考えると今は景気がいいからという気持ちにならない、気持ちを引き締めなければならない。」といわれた社長の言葉は耳に残った。

 二つ目のカリキュラム作成はS商工会議所のカリキュラム作成で経営指導員向けの経営革新に関するものである。こちらの方は話の内容を電話で聞きながら大体の構想を固めることができた。それでも研修時間5時間という短時間に必要な内容をどう盛り込むかは工夫が要ると思った。カリキュラムは帰宅後作成に取り掛かり途中まで作成し、多分寝ている間にアイデアが出るだろうと思い就寝した。

 案の定、二つのことが気になりいつもより早く目が覚めた。起床しすらすらと完成させることができた。そして、9時早々に千葉県中小企業経営支援センターに連絡し人事評価制度構築についての支援の可能性を聞いた。当センターの話では支援は可能であるが、その前に身元を確認したいのでD社から当センターに直接電話をして欲しいとのことであった。早速D社にその旨を伝えた。その時社長に、週末の土日で提案書の作成を約束したが、週明けには出張が入っているので納期までの提出は困難である旨の話をした。社長から「早急に電話する。納期のことは気にしないで欲しい。」ということを言われた。D社長は創業者でワンマン経営者である。役員会は社長の裁量で処理されると思った。しかし、翌日、先に話した見積の内容(企画書)はメールで伝えた。

 創造性開発のオーソリティ元奈良女子大の中山正和教授は、「アイデアだしは寝ている間に出てくる。それまでに、物事を縦から、横から、ななめから眺め、それでも、でなければ寝ることである。アイデアは寝ている間に熟成する。」といわれた。又、指導者の間では「血の小便が出るまで努力せよ。」と言われている。血の小便はしたことがないが要するに物事に集中して全霊を傾けて取り組めということかと思う。

 70歳をはるかに過ぎた身ではあるが、アイデアだしは年を越えて必要であり、アイデアがでたときの感動は素晴らしいものであると思うこの頃である。人事制度構築は診断士となってしたい仕事の一つであるが、今回はそこ(感動)までには至っていない。
以上

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