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~人事を尽くして天命を待つ~長屋 勝彦

2020/05/02
長屋 勝彦

 長年付き合いのある切削加工会社の経営者の友人が苦境に立ち入り万策尽きた時に、「できないものはこれ以上できない」と言う。後は野となれ山となれというわけではないが、やることはやったのであとは天命に従う、つまり失敗した時は天が自分に味方してくれない、仕方がない、つぶれてもよいといようなことを真顔でいう。

 戦国時代にも戦に当たって万策策を講じたがいざ出陣に際し茶人の立てた茶を飲み干すときの心境である。

 友人の会社は景気遅行型の企業であり、数年間の苦境の後、数年間の好況期を迎え苦境期の赤字を一掃するという会社である。このような景気サイクルを何回となく経験し今日に至っている。

 彼は苦労人で、目配り、気配りのできる人間であり、社内外の評判も良い。又、思い切った前向きの投資をするが見るべき成果がなく、サステナブルな(持続的成長型)企業とは縁遠い企業である。

 そのような彼に対し、「企業はサステナブルである」、「企業は顧客と従業員のためにある」、「不要不急の出費は避ける」、「我を捨てる」、「人情に流されない」、つまり「ネバーギブアップ」といったことを言うが、耳を傾けない状況である。

 彼は今、健康を害し一線を退き治療に努めている。時たま電話で心境を話し合っている。コロナウイルス蔓延の昨今、未来を信じ、気持ちを強くできることに全力で取り組まなければならないと想うこの頃である。

 コロナウイルスが治まったら人生について語り合いたいと思うこの頃でもある。
以上

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