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「読書三昧の日々に思う・・・」 吉田健司

2020/05/25
吉田 健司

以前コラムに書いたが、私は読書をして落ち着いた時間を過ごすのが好きである。初めて中小企業診断士の試験を受けた平成13年ごろに「年間1,000時間の読書」という目標を立てたが、何とか約20年間目標達成が続いている。今では旅行や出張で外泊する場合を除き、毎日3時間程度の読書は習慣になっているので、「年間1,000時間の読書」を意識することもなくなった。

これも以前コラムに書いたが、私は、自己啓発とは自らの意志により、能力開発・向上、知識向上、技能向上、精神面の成長などを目標として、学習、訓練、体験、経験などを継続して積み重ねていくことであると考えている。読書を通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力などが自身の教養を育んでくれると思っている。

外出自粛の日々を岩波文庫、新書漢文大系(明治書院)、中国古典新書(明徳出版社)、中公新書、講談社学術文庫で中国の古典やその時代をテーマとした書籍を再読して過ごしている。集中して読書ができるので、自分なりに考えを巡らせながら読んでいる。地図上で地理関係を確認したり、年表により時代を比較したり、日本の歴史や朝鮮半島の歴史と比較したりすることで、新たな気づきや発見がある。

例えば、稲の伝来の所説の一つとして、中国の揚子江流域の人々が朝鮮半島を経由して日本に稲作をもたらしたという説に興味を持ち、過去に関連する本を読んだ。今回再読して、呉越同舟、臥薪嘗胆などの四字述語でしられる中国春秋時代の呉国と越国の争いで敗れ、国を失った呉の人々が朝鮮半島や日本に移動してきたという意見に触れたときとても強いインパクトを受けた。なぜかというと、呉越戦争を描いた「呉越春秋湖底の城(宮城谷昌光著)講談社文庫」を途中巻まで読んでいるからである。司馬遷は史記世家の第一に呉国の歴史を記述している。呉の滅亡は紀元前473年とされ、日本は縄文晩期にあたる。

このような体験はまさに再読の醍醐味であり楽しみでもある。

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