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2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を読む 吉田健司

2019/03/24
吉田 健司

  2018年6月のブログで紹介した独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構生産性向上人材育成支援センターが実施する生産性向上支援訓練の関係で、企業活動の原動力となる人材の活用面に係る取組をもっと学びたいと思うようになり、2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を精読した。

 「多能工化・兼任化の取組」は、業務量の平準化や業務の効率化に寄与するとされている。その理由は、多能工化・兼任化を行うことで、繁忙期となっている部署や工程に労働力を融通することが可能だからである。以下では、白書より「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」の分析内容を概観する。

 中小企業における従業員の多能工化・兼任化に取り組んでいる企業は73.3%で、製造業に限ると88.1%が取り組んでいる。従業員の多能工化・兼任化を進める際にあわせて行った取組は、業務マニュアルの作成・整備(47.2%)、従業員のスキルの見える化(34.9%)が特に高くなっている。

 また、多能工化・兼任化による各効果を感じている企業の割合は、業務見直しを実施した企業において高く、従業員の能力向上(54.8%) 全体の業務平準化による従業員の負担の軽減(37.8%)、繁忙期・繁忙部署における業務処理能力向上(36.9%)、従業員間のコミュニケーションが増え職場の活性化につながった(21.4%)、担当者不在時の対応力が向上し休暇取得が容易になった(18.6%)などの効果をあげられている。

 一方、多能工化・兼任化に取り組む上の課題としては、多能工化を進めるための時間的余裕がない(42.1%)、多能工化を主導できる人材が社内にいない(28.9%)、業務負担増加を懸念する従業員からの反発(19.9%)などがあげられている。

 このように見ていくと、多能工化を考えている企業は、時間管理の面から自社の現状を分析する必要があるように思う。

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