ブログ » タイムマネジメント ~中小企業診断士の仕事~長屋 勝彦

~中小企業診断士の仕事~長屋 勝彦

2016/09/12
長屋 勝彦

 中小企業診断士になった頃「先輩診断士の方に診断士の仕事は何だと思う」と尋ねられた。即答できないでいると、「研修講師として話すこと、書籍を執筆すること、企業診断をすることで、この三つができなければ診断士とは言えない」と言われた。

 現在では中小企業診断士としてというよりコンサルタントとして今風にいえばクライアントのイシュー(課題)を解決することによりソリューション(顧客価値)を提供することである。

 そのためには、クライアントのニーズをソリューションに変換するための問題解決力とクライアント目線によるソリューションを提供するためのコミュニケーション力が必要となる。

 ハーバード大学教授ロバートカッツは管理職に必要な力として、コンセプチュアルスキル、ヒューマンスキル、テクニカルスキルを挙げているが、コンサルタントにも該当する。

 ソリューションに変換するための問題解決力はコンセプチュアルスキルとテクニカルスキルであり、コミュニケーション力はヒューマンスキルであるといえる。

 話を戻し冒頭の診断士の三つの仕事ではどうであろうか。研修講師には単なる知識の提供者所謂喋り屋ではなく受講者のレベルに応じた受講者が満足する高い見識に基づく論理的・体系的な知識の提供が要求される。研修の場合、受講者はテーマの内容を理解する前に講師の印象、話し方(コミュニケーション)により話を聴くといわれている様が話の内容がつまらないと言うのでは研修の意味がない。研修講師としては受講者とのコミュニケーションと共に質の高い内容の知識も必要である。

 他の二つの仕事についてもこのことは当てはまる。クライアント(購読者、診断企業)目線での著作又は提案でなければならない。

 プレゼンテーション力の重要性が叫ばれているがプレゼンテーションも相手に満足を与えるものでなければない。コンサルタントとしては話し方がうまい、文章力があるというだけではなく相手を満足させる知識(価値)の提供を心がけることが必要であると思うこの頃である。
以上