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魅せる~長屋 勝彦~

2016/06/13
長屋 勝彦

 久し振りにやる気の出る研修に巡り合えた。
 10余年以上もお世話になっている理容店の店長から声がかかり、というよりこちらから売込み理容店の従業員である理髪師さんを対象に研修をさせていただくことになった。テーマはサービス業のマーケティングマネージメントである。

 当店の代表である社長は自分自身でお店のマーケティングを実践しているということで、小生のテキストを見て「この程度の話であれば朝飯前」ということを言われた様である。

 そこで、「原理原則に立ち返り、実践に即し、徹底的に考える」という視点に立ち話をすることにした。サービス業の経験はないが営業で長年にわたり体験した題材とデータに基づき90分、6回の研修を寺子屋の先生スタイルで行っている。

 サービス業のマーケティングについて、コトラーはアウターナルマーケティング、インターラプティブマーケティング、インターナルマーケティングについて説いているが、店長相手ということで、お店目線で従業員の顧客に対するインターラプティブマーケティング、従業員に対するインターナルマーケティングを対象とした。

 例えば、マーケティングについてコトラーは価値創造と交換というが「マーケティングはどういうことか」、「価値創造は何か」、「交換は誰が誰と何を交換するのか、価値創造とどんな関係があるのか」といった禅問答のようなことを受講者と話し合い進めている。

 通常、理髪店、俗にいう床屋課業は、せいぜい3人留まりで営業している店が80~90%、客は近所の住人で70%~80%が固定客という商売であるが、今回の理容店は、従業員数十名、店舗は都心の一等地、一流ホテルにも店を構える法人企業である。

 受講者も両親が理髪店を経営しているものもいるが、両親と同じような商売をする気はなく、この道で一流になり生き残っていこうとする思いが強く、話の最中でも挙手をし、質問し自分の意見をいう者が多い。

 そのようなことで、自分自身も数十年前の営業時代に立ち返り若さをもらったような気がする。中小企業診断士の研究会では会員全員で毎月3分間スピーチと称してプレゼンの練習をしているが研修では言葉に気が入り、身振り手振りも自然と出ているように思う。

 最近では、毎回のスーツ、シャツ、ネクタイといった服装にも変化を持たせ受講者と対話することに気を使っている。

 長島氏が選手時代、観客に見せるため歌舞伎を見に行き役者の動作を研究したという話を聞いたことがある。少しで受講者に感動を与える人でありたいと念じ今回も研修に臨もうと思うこの頃である。
以上

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