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昔取った杵柄であるが今は通用しない 長屋 勝彦

2016/02/08
長屋 勝彦

この度、様々な経緯から顧問先の社長の依頼により、これまでの事業分野から完全に撤収し、技術面でのシナジーはあるが市場面でのシナジーが皆無に近い中小機能性樹脂メーカーの用途開発に係ることとなった。
 
 化学メーカーに勤務していた三十数年間の大半は化学品、合成樹脂の開発・販売に携わった経験から今回の製品開発も市場特性、技術特性については理解でき、どのような事業展開が必要かは明確することはできるが、長年のブランクにより当業界での人脈は絶えている状況で、市場開拓が思うに進まない。

 潤沢な資金があれば市場調査ということも考えられるが、中小企業であり不可能である。ホームページを作成しインターネット上に情報公開をしてもよいがその効果は直接的でない。又、学会等で成果を発表することも考えられるがこの効果も同様に直接的ではない。

 市場開拓の定石は、「当該市場に大きなインパクトを与える企業のライトパーソンに直接自社製品を売り込むことである」といわれる。

 時間という制約はあるが、急がば回れ、該当する事業分野の企業の設計、研究開発に携わる部門のライトパーソンに飛び込み営業を掛けるより打つ手はないと思う。

 今でも、何故この仕事に係ったのかと自問自答する。
 社長と面談し完全撤収してまでも新規事業をやり抜こうとする強い意志、使命感に感銘を受けた面もあるが、久しく遠ざかっていた新製品開発の虫が起きたのではないかとも思う。

 幸い、社長は手堅い経営を目指す、技術志向の人物であり、豊かな夢を描き産学官を巻き込んだビジネスモデルを構築していきたい。この企業が未来に羽ばたき成長することを願うこの頃である。
以上

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