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今年のゴールデンウイークは読書で過ごす  吉田健司

2020/04/27
吉田 健司

不要不急の外出を自粛する日々が続いており、読書の時間をより多く確保できるようになった。そのため1月のコラムに書いた「易経」の通読も予定より早く終えることができた。

私の書斎の書棚には「易経」と同様に20年間余り通読できていない岩波文庫の中国の古典が20冊以上あるので、自粛の日々を活用してこれらを再読することとした。今は「春秋左氏伝」を読んでいる。「春秋左氏伝」は「春秋」の伝(解説)で、春秋時代(紀元前722年~481年)を中心とする史伝説話が多く収録されている。歴史から学ぶ題材の宝庫である。

春秋は中国の史書で五経(書経・易経・礼記・詩経・春秋)の一つである。孔子が生まれた魯(ろ)の年代記である。

岩波文庫の「春秋左氏伝」は「易経」と異なり原文はなく翻訳文なので、通常の文庫本を読むのと変わらない。ただ、3巻合わせると1,500ページ程度とページ数が多いことと、登場する国や人物が多いため内容を理解しながら読み進めるのはかなりのロードがかかる。そのため、「易経」同様これまで何度か読みたいと思うことはあったものの、なかなか再読を決断できなかった。

今3巻目に入っているが新しい発見があった。各年の記録である経文と解説である伝を読み進めていると、春秋時代を題材にした宮城谷氏の多くの小説に登場する人物や土地や場面などが、私の中で自然とつながりを見せるようになったことである。宮城谷氏の多数の小説相互間の関係については、私なりの世界観ができているのだか、それに史書という軸が加わることでより構造的になったように感じている。

「春秋左氏伝」を読み終えたら、司馬遷が著わした「史記列伝」と「史記世家」を再読する予定である。これが私のゴールデンウイークの過ごし方である。

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