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思考停止 【遠藤弘之】

2012/02/20
遠藤 弘之

昨年の大震災から原発事故の一連の流れと国、自治体と電力会社などの組織体での対応策をリスクマネジメント(RM)の視点でみると色々考えされられた人は少なくないだろう。M9の地震、高15m以上の津波、全外部電源を失った原発事故、全村避難などの事態を”想定外”であったという言葉で議論されることが少なくないことはどうしてだろうか。
それぞれの立場での「リスク」への幅広い「想像力の欠如」、言い換えれば「思考停止」のようなことが行われていたことが、問題を大きくした原因にあるのではないのだろうか。
民間企業に勤めた経験から、まず企業として”想定外”という言葉は許されず、そうなった時には、その事業は生き残ることも出来ず、場合によっては企業自体が潰れてしまうことにもなる。前述した組織には、それぞれ立派な「リスクマネジメント」という考え方があっただろうが、実際には対応出来なかったのだろう。
が、やはり根本問題は、国(国民)全体の意識・覚悟・認識に一番の問題であったように思える。 例えば、安全神話、自分とは無関係、発生頻度は極めて低い、起こりそうもない事、何でも上部組織などへの依頼心、余計な事に金・時間を掛けないことがより効率的である・・・・など思うようになってきていたように思える。
このような状態を”思考停止”状態(想像力の欠如など)と言うのではないのだろうか? 
昨今の日本が、そういう”ムード、空気など“に覆われる傾向にあったことが、今回のような大きな災害・事故を引き起こしてしまったように思えてならない。皆さんは、如何思われるだろうか。