ブログ人材育成

以前コラムに書いたが、私は読書をして落ち着いた時間を過ごすのが好きである。初めて中小企業診断士の試験を受けた平成13年ごろに「年間1,000時間の読書」という目標を立てたが、何とか約20年間目標達成が続いている。今では旅行や出張で外泊する場合を除き、毎日3時間程度の読書は習慣になっているので、「年間1,000時間の読書」を意識することもなくなった。

これも以前コラムに書いたが、私は、自己啓発とは自らの意志により、能力開発・向上、知識向上、技能向上、精神面の成長などを目標として、学習、訓練、体験、経験などを継続して積み重ねていくことであると考えている。読書を通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力などが自身の教養を育んでくれると思っている。

外出自粛の日々を岩波文庫、新書漢文大系(明治書院)、中国古典新書(明徳出版社)、中公新書、講談社学術文庫で中国の古典やその時代をテーマとした書籍を再読して過ごしている。集中して読書ができるので、自分なりに考えを巡らせながら読んでいる。地図上で地理関係を確認したり、年表により時代を比較したり、日本の歴史や朝鮮半島の歴史と比較したりすることで、新たな気づきや発見がある。

例えば、稲の伝来の所説の一つとして、中国の揚子江流域の人々が朝鮮半島を経由して日本に稲作をもたらしたという説に興味を持ち、過去に関連する本を読んだ。今回再読して、呉越同舟、臥薪嘗胆などの四字述語でしられる中国春秋時代の呉国と越国の争いで敗れ、国を失った呉の人々が朝鮮半島や日本に移動してきたという意見に触れたときとても強いインパクトを受けた。なぜかというと、呉越戦争を描いた「呉越春秋湖底の城(宮城谷昌光著)講談社文庫」を途中巻まで読んでいるからである。司馬遷は史記世家の第一に呉国の歴史を記述している。呉の滅亡は紀元前473年とされ、日本は縄文晩期にあたる。

このような体験はまさに再読の醍醐味であり楽しみでもある。

「読書三昧の日々に思う・・・」 吉田健司

2020/05/25
吉田 健司

以前コラムに書いたが、私は読書をして落ち着いた時間を過ごすのが好きである。初めて中小企業診断士の試験を受けた平成13年ごろに「年間1,000時間の読書」という目標を立てたが、何とか約20年間目標達成が続いている。今では旅行や出張で外泊する場合を除き、毎日3時間程度の読書は習慣になっているので、「年間1,000時間の読書」を意識することもなくなった。

これも以前コラムに書いたが、私は、自己啓発とは自らの意志により、能力開発・向上、知識向上、技能向上、精神面の成長などを目標として、学習、訓練、体験、経験などを継続して積み重ねていくことであると考えている。読書を通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力などが自身の教養を育んでくれると思っている。

外出自粛の日々を岩波文庫、新書漢文大系(明治書院)、中国古典新書(明徳出版社)、中公新書、講談社学術文庫で中国の古典やその時代をテーマとした書籍を再読して過ごしている。集中して読書ができるので、自分なりに考えを巡らせながら読んでいる。地図上で地理関係を確認したり、年表により時代を比較したり、日本の歴史や朝鮮半島の歴史と比較したりすることで、新たな気づきや発見がある。

例えば、稲の伝来の所説の一つとして、中国の揚子江流域の人々が朝鮮半島を経由して日本に稲作をもたらしたという説に興味を持ち、過去に関連する本を読んだ。今回再読して、呉越同舟、臥薪嘗胆などの四字述語でしられる中国春秋時代の呉国と越国の争いで敗れ、国を失った呉の人々が朝鮮半島や日本に移動してきたという意見に触れたときとても強いインパクトを受けた。なぜかというと、呉越戦争を描いた「呉越春秋湖底の城(宮城谷昌光著)講談社文庫」を途中巻まで読んでいるからである。司馬遷は史記世家の第一に呉国の歴史を記述している。呉の滅亡は紀元前473年とされ、日本は縄文晩期にあたる。

このような体験はまさに再読の醍醐味であり楽しみでもある。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

今年のゴールデンウイークは読書で過ごす  吉田健司

2020/04/27
吉田 健司

不要不急の外出を自粛する日々が続いており、読書の時間をより多く確保できるようになった。そのため1月のコラムに書いた「易経」の通読も予定より早く終えることができた。

私の書斎の書棚には「易経」と同様に20年間余り通読できていない岩波文庫の中国の古典が20冊以上あるので、自粛の日々を活用してこれらを再読することとした。今は「春秋左氏伝」を読んでいる。「春秋左氏伝」は「春秋」の伝(解説)で、春秋時代(紀元前722年~481年)を中心とする史伝説話が多く収録されている。歴史から学ぶ題材の宝庫である。

春秋は中国の史書で五経(書経・易経・礼記・詩経・春秋)の一つである。孔子が生まれた魯(ろ)の年代記である。

岩波文庫の「春秋左氏伝」は「易経」と異なり原文はなく翻訳文なので、通常の文庫本を読むのと変わらない。ただ、3巻合わせると1,500ページ程度とページ数が多いことと、登場する国や人物が多いため内容を理解しながら読み進めるのはかなりのロードがかかる。そのため、「易経」同様これまで何度か読みたいと思うことはあったものの、なかなか再読を決断できなかった。

今3巻目に入っているが新しい発見があった。各年の記録である経文と解説である伝を読み進めていると、春秋時代を題材にした宮城谷氏の多くの小説に登場する人物や土地や場面などが、私の中で自然とつながりを見せるようになったことである。宮城谷氏の多数の小説相互間の関係については、私なりの世界観ができているのだか、それに史書という軸が加わることでより構造的になったように感じている。

「春秋左氏伝」を読み終えたら、司馬遷が著わした「史記列伝」と「史記世家」を再読する予定である。これが私のゴールデンウイークの過ごし方である。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司, 経営情報

私の振り返り 吉田健司

2020/03/29
吉田 健司

私は、37年間務めた会社を定年退職して一年が過ぎようとした2015年3月よりブログを書いている。月日がたつのははやいもので、もう5年が経過してしまった。元同僚と毎年数回同期会を開催しているが、4月からは全員が会社を離れることになる。2020年は、なぜか区切りの年のように感じてしまう、今日この頃である。
 最初のブログで「所属する組織は、人を育てる組織か」と問いかけてみたいと書いたが、あらためてそのことを考えてみたい。組織が成立するためには、共通目的(組織目的・共通の目標)、協働意思(貢献意欲、協働意欲)、コミュニケーションが、それぞれ一定水準に達している必要があるとされている。同様に「人を育てる組織」が成立するためには、それぞれが一定水準に達している必要があろう。その水準を評価するために、例えば、次のような視点を私は大切にしている。
①共通目的の視点
目的や目標が明確になっているか、理解されているか、共有されているか、下位の目標が上位の目標とずれていないかなど。
②協働意思の視点
メンバーの連携は円滑か、協力(チームワーク)の質は高いかなど。
③コミュニケーションの視点
報連相、情報共有など組織のコミュニケーションは円滑か、業務を適切に進めていく上でコミュニケーションに問題はないか、良好な職場環境・人間関係を構築する上でコミュニケーションに問題はないかなど。
「組織の3要素」の視点から評価することで、「所属する組織は、人を育てる組織か」に答える道が見えてくるように思う。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

自己啓発について(平成30年度年次経済財政報告より) 吉田健司

2020/02/27
吉田 健司

今回は、内閣府の平成30年度年次経済財政報告(以下白書)より社会人が自己啓発を行うことの効果についての分析を取り上げる。
まず、自己啓発の効果としては、「自己啓発は将来的な年収の増加や就業確率の上昇等につながる」と考えられている。
白書では、①通学(大学・大学院、専門学校、公共職業訓練等)、②通信講座(通信制大学を含む)の受講、③その他(書籍での学習、講演会・セミナー、社内の勉強会等)の3つの内容別にさらに分析している。その概要は次の通りである。
自己啓発が年収に与える影響について、2年後における効果をみると自己啓発の内容によらず意義のある結果となっている。また、就業確率に与える影響(1年後)については、通学とその他でプラスとなっている。特に通学においては就業確率が約36%ポイント高くなるとの結果であり、非常に効果が高いことがうかがえる。
自己啓発の内容別にコスト(時間・金額)の平均値は次の通りである。
通学は効果が大きいが、通信講座やその他と比較してコストが高くなる傾向がある。一方、その他の自己啓発手段については、効果は相対的に小さいものの、特に金額面でのコストは低く済む傾向がある。
では、企業側の評価はどうであろうか。自己啓発を実施した労働者の処遇について、白書の概要は次の通りである。
大きく処遇に反映する方針の企業は6%、ある程度反映する方針の企業は53%で、残り4 割程度の企業は自己啓発を実施しても処遇を変化させないと回答している。4 割程度の企業で働いている就業者にとっては。学び直しを行うインセンティブは非常に小さいことが推察される。
白書では、人的資本投資額は労働生産性に対しプラスの影響を与える可能性が指摘されており、「自己啓発に対する処遇改善とサポート体制を強化することは、企業にとっても、労働者にとってもメリットが大きいことから、自己啓発促進の取組が広がっていくことが期待される。」と述べられている。同感である。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

社員の現場力向上~長屋 勝彦~

2019/12/25
長屋 勝彦

 令和元年も残すところ1週間となった。
 メールを見ていたら、現場社員の組織力向上研修テーマの項目に、「現場力向上の養成」という言葉が目に入った。

 日頃から顧問先の社員に、「原理・原則に即した実践的行動」として「基本に立ち返り担当する仕事の問題解決」、「現場・現物・現実に基づく3現主義の徹底」を説いているが、「現場力」をどの様に定義するのかが気になり、この言葉のキーワードとして、「組織力」、「現場力」について考えてみた。

 バーナードは「組織」の成立要件として組織目的、貢献意欲、コミュニケーションの3の要素が整っていることを挙げている。

 組織目的は、「企業としてのビジョンの実現であり、定量的には企業価値、付加価値、生産性といった経営目標値の達成」という事であるが、現場で働く社員にとっては付加価値を構成する、製品の品質(Q)、コスト(C)、納期(D)の達成ということになる。又、貢献意欲は組織目的を達成しようとする社員のモチベーション・やる気の醸成ということであり、コミュニケーションは社員間のコミュニケーション(意思疎通)が形成されていることになる。

 要するに、上司からの指示ではなく現場の社員が積極的、意欲的に自ら生産性向上(具体的にはQ、C、D向上)のため働くことであるということができる。

 「現場力向上」という場合、現場で働く個々の社員能力向上ではなく現場全体として能力(能率)向上をいう。例えば、野球というスポーツでいえば確実に1点を取り勝利を得るためにはホームランバッターでもバントをするという行為である。

 企業は物を生産し、販売し利益を得るという行為により企業活動が成立する。従って、企業には営業部門、生産部門、管理部門といった企業としての役割を果たすための組織が必要であり、各々の組織に現場が存在する。

 企業は規模の大小にかかわらず持続的発展が運命づけられているが、環境変化の激しい今日においては、組織に働く社員はそういった環境変化に対応するため常に自ら考え、行動することが求められていると考えた時、現場力とは「現状を改善・改革する力」であると思考する。

 年末、顧問先企業の反省会に参加するが、その企業の社長、管理者、社員と「現場力」について話し合ってみたい。
以上