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読書三昧の日々は続く・・・ 吉田健司

2020/06/22
吉田 健司

私は、一人でも多くの人に古典を学んでもらいたいとずっと思ってきた。人それぞれだと思うが、私にとっての古典は中国の古典、特に秦以前の時代を題材にした古典である。
長年古代中国の古典を読み、関連する歴史を学び、古代中国を題材とした小説を楽しんでいるが、きっかけは、PHP文庫の中国古典百言百話(文庫版)全14巻を読んだことである。これらを読んで、日本人にとって貴重な人生訓・処世訓になっている故事・名言・名句が数多く生まれた古典を学んでみたいと思うようになった。

私が初学者として、仕事の役に立つのではと選んだのが岩波文庫である。内容は書により異なるが、私の蔵書では訳文中心の書と原文・読み下し・現代語訳(口語訳)・注(校注)で構成されている書に大別できる。前者は春秋左氏伝、史記列伝、史記世家、後者は論語、孟子、荘子、韓非子などである。

原文は私の漢文能力では歯が立たないため、参考程度にとどめて読んだ。その後、韓非子だけは原文を読みたくなり、高校の漢文の参考書を購入して漢文を学び直し、通勤時間を利用して1日数ページ程度コツコツ時間をかけて読み切った。以後、韓非子は会社勤め時代の座右の書となった。

今年の巣ごもり期間に易経と論語を再読することができた。何十年ぶりである。今回は原文を読むのにも時間をかけた。原文を1センテンスごと読み、読み下し文で確認する作業を根気よく続けた。とても有意義な時間であった。

日本の古代史においても757年施行の養老令のうち大学・国学の教職員、学生に関する事項を規定している学令で儒教の経典が教科として位置づけられ、論語は孝経とともに必須とされているほど重要視されていたようである。日本人と中国古典のかかわりの深さをあらためて感じている今日この頃である。易経は近いうちにもう一度通読したいと思う。

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