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バーナードの「組織の3要素」に思うこと 吉田健司

2017/09/24
吉田 健司

アメリカの経営学者チェスター・バーナードが定義したとされる「組織の3要素」について、私は疑問に思っていたことをそのままにしてきた。
「組織の3要素」とは、組織が成立するために必要な以下の3つの条件のことで、異なる言葉で表現されることがある。
・共通目的、組織目的、共通の目標
・協働意思、貢献意欲、協働意欲
・コミュニケーション
私の疑問は、上記の3要素に順序があるかということである。
バーナードの「組織の要素は、(1)伝達(コミュニケーション)、(2)貢献意欲、(3)共通目的である。」(C.I.バーナード著「新訳 経営者の役割」(山本安次郎・田杉競・飯野春樹訳ダイヤモンド社))という1文が気になっていたのである。
同書は、難解な部分も多くあるため通読するのがやっとで、答えを探しながら読む余裕はこれまでなかった。今年は顧問先での経営管理の研修テキストを作成していたこともあり、組織の3要素に関する部分を、時間をかけて何度も読み返し、(1)伝達(コミュニケーション)、(2)貢献意欲、(3)共通目的の順序は、組織がどの様な時に成立するかという論述における順序であると、やっと理解することができた。
組織は2人以上の協働体系といわれることもあるように、まず複数の人々がいて、そこにコミュニケーションが存在することからはじまるという考えに至り腹落ちした。
こうしてみると3要素の表現や順序は一つの型ではなく、使う側の意図ではないかと思えてくる。私も今まで明確な意図をもって使ってきたかと自省している今日この頃である。

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