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机の上を片付けよう!! 吉田健司

2016/01/25
吉田 健司

ある企業の社長との5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の話をきっかけに、私は会社に勤めていたころの経験を思い出した。
スペースの限られた机の上に複数の書類を広げて様々な作業を行う、並行して電話による照会・説明・交渉などを行う、あるいは相談・打合せなどを行う日々が続くうちに、いつの間にか机の上に書類の山ができてしまう。整理整頓を心がけているつもりでも、なかなか根本的な解決ができない。書類がたまる。仕事が遅いといわれる。はやる気持ちが仕事の質を低下させる。そんな悪循環に陥った経験はないだろうか。
このような状態を改善するヒントを、私は生産管理のノウハウに見つけた。当時の仕事の流れは、大きく括ると新たな書類と手持ちの書類をあわせて内容を点検し上司決裁に廻すというもので、投入した原材料・仕掛品に加工・組立てなどで付加価値をつけ、次におくる工場の工程とよく似ていることに気が付いた。
以後、生産管理は非製造業に勤める私の学びのテーマとなった。特に、IE(インダストリアル・エンジニアリング)の手法が役に立つ。ムリ・ムダ・ムラを見つけて改善していくための科学的な手法のいくつかは、工場以外の様々な職場で活用できると考えている。

5Sは工場をきれいにすることが目的ではなく、現場改善であり、生産管理の改善の出発点であるともいわれる。あわせて職場環境の改善であると思う。労働安全衛生法の目的は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することである。その労働安全衛生規則に「清潔」に関する条文がある。「事業者は、日常行う清掃のほか、大掃除を、それぞれ6か月以内ごとに1回、定期に、行わなければならない」とされている。清潔とは整理・整頓・清掃の維持であり、しつけとは決められたことをいつも正しく守る習慣のことであるから、5Sは生産管理面だけでなく職場環境面でも重要であると思う。

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