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360度評価に思う 【長屋勝彦】

2014/10/13
長屋 勝彦

 ある会社の社長との話しの中で全従業員を対象とした360度評価を行うこととなった。その会社は工場39人、本社23人の金属を主体とする切削加工業者である。

 今回の評価は、評価項目を望ましい人物像、評価基準をAランク(望ましい)、Bランク(やや望ましい)、Cランク(やや望ましくない)、Dランク(望ましくない)として評価し、評価結果を会社宛てではなく直接小職宛として郵送してもらうこというものである。

 具体的には、非評価者は社長を含めた全員の62人であるが、評価者は社長を除く61人とし評価し小職に郵送する。小職は郵送されてきた評価結果を定量化し、全員の非評価者のスコアを集計し、ランク付けを行い、その結果を評価者にフィーダバックのため郵送するということである。

 エクセルのRANK関数を利用すれば計算自体は簡単であるが、評価基準の入力作業及び計算結果の評価者への郵送作業には気を使った。更に、返信封筒に郵便番号が未記入の方、返信封筒が同封されていない方おられ、手間取った。又、期日までに郵送してこない方、評価者全員についての評価(例えば社長を評価してない方)をされていない方おられたりしたため、評価結果を返送するまでの時間が想定した時間(7日)の倍の時間(14日)を要した。ともあれ、正確性を担保するため、仲間の診断士の方に協力してもらい結果の集計と各人宛ての郵送作業を終わらせることができた。

 評価にあたって、何人かの方から、望ましい人物という評価基準は何か、何故今回のような評価を行うのかといった質問を受けたが、これに対して自分自身で望ましい基準を作り評価して欲しいといったコメントをした。目的は会社の全員からどう見られているのかを自分自身が知ることにあり、今回の結果は人事評価につながるものではないということも話した。

 360度評価を人事評価に取り入れている企業もあるが、評価結果を気にしないで自分自身の生き方を変えない者もいると思われるが、評価結果を非評価者である本人が見て至らない点があれば反省し今後に役立ててもらうということで、取り入れている企業もある。
 
 要するに自分についてこれを機に見詰め、改め、成長して欲しいということである。この点は社長も理解していただいており心強く思う。

 今回の結果は誰もが最も好ましいと思う方が一番であり、その次の方、3人目の方も万人が認める方であった。しかし、能力はあるが言いたいことを言い勝手に行動する方のスコアはやはり低かった。

 今回のことを自分に置き換え、精進しなければと思うこの頃である。
                                                                                                        以上

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