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「脚下照顧」 【岩本 亨】

2013/07/01
岩本 亨

先日、友人が禅家の標語に「脚下照顧」という言葉があると教えてくれました。恥ずかしながら私の知らない言葉でした。

英語の「watch your step!」と同じような意味かと思いながら、大辞泉で調べてみました。

「禅家で、足もとに気をつけよの意。自己反省、または日常生活の直視を促す語」とありました。

goo辞典で検索すると、三省堂「新明解四字熟語辞典」出典として「自分の足元をよくよく見よという意。もと禅家の語で、他に向かって悟りを追求せず、まず自分の本性をよく見つめよという戒めの語。転じて、他に向かって理屈を言う前に、まず自分の足元を見て自分のことをよく反省すべきこと。また、足元に気をつけよの意で、身近なことに気をつけるべきことをいう。▽「脚下」は足元の意。転じて、本来の自分、自分自身。「照顧」は反省し、よく考える、また、よくよく見る意。「照顧脚下しょうこきゃっか」ともいう。

意味深い言葉ですね・・・。

 

会社勤務時代に管理職に昇進したばかりの頃、部下にいろいろ指示をする際に、なんとなく居心地の悪さを感じたことを思いだしました。

自分がしっかりできていることについては、自信を持ってできますが、中途半端にしかできていないことについては気が引けます。 「自分もできていないけど一緒にがんばろう!」と言うのが良いのか、まずは自分できちんとしてから指示を出すのか? はたまた、自分のことは棚に上げて、毅然として指示出しすれば良いのか?・・・。 迷うところですが、組織で動こうとすると、まず指示を出さなければならないことが多いでしょう。

自分に自信が無くても毅然と指示を出すべきなのですが、なかなか難しい所です。

 

ここ数年、居酒屋等のトイレのスリッパの乱れが気になります。自分が年齢を重ねたせいかもしれません。個人の価値観ですから、何が良い悪いということではありませんが、私自身スリッパが乱れていれば揃えます。

以前、このブログに靴磨きのことを書きました。ピカピカの靴を履いていると、仕事に集中できます。それが私にとっては、ごく普通のことなのですが、世の中の多くの方々は、そうではないようです。余裕がなくなってしまっているのかもしれません。

 

振り返ってみると、以前は季節の移ろいを感じながら生活していたような気がしますが、最近はほとんど意識していません。日々時間に追われ、ゆっくりと自分を振り返ることができていません。「脚下照顧」、折に触れて思い出したいと感じました。