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ビジョンの探求 ~3人の石切り工より~ 【長屋勝彦】

2011/12/12
長屋 勝彦

寺院を建てている三人の石切り工の話である。「何をしているのか」と聞かれたとき、第一の男は、「これで暮らしを立てている」と答えた。第二の男は、「国中でいちばん上手な石切りの仕事をしている」と答えた。第三の男は、その目を輝かせ夢見心地で空を見あげながら「大寺院をつくっている」と答えた。ドラッカーの「マネジメント 下」からの逸話である。研修でよく使用する題材である。

 

第一の男も、第二の男も、仕事の目的(寺院を建設する)を意識して働かなければ良い仕事(人に感動を与える寺院作り)はできない。第三の男こそ仕事の目的を理解して働く男であり、経営管理者にふさわしい。

つまり、組織目的を理解し、「目標による管理」がマネジメントに必要であるということをドラッカーは言いたかったのだと思う。

 

翻って、個人としてはどうか、目標による管理は自己の目標と組織目標の一体化にある。マズローの欲求多段階説では自己実現が個人の欲求の最高位にある。人間はパンのみに生きるにあらずという新約聖書の言葉があるように、自分なりの生きがいを見つけるため、夢探し、自分探しの探究をし続けることかと思う今日この頃である。