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「学習する組織」への思い 吉田健司

2020/08/24
吉田 健司

私が好きなビジネス用語の一つに「学習する組織」がある。この言葉を意識するようになったのは、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2003年3月号の特集「「学習する組織」のマネジメント」を読んだからだったと記憶している。社員と組織に「学習」という習慣が備わっていなければ変革や改善は一時的なものにとどまるという考えを学び腹落ちしたことを覚えている。

とはいえ、組織は能力開発や人材育成に様々な問題を抱えている。例えば、令和元年度「能力開発基本調査」事業所調査の人材育成に関する問題点によると、能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は 76.5%である。「3年移動平均で見ると、近年、人材育成に問題のある事業所の増加傾向がうかがえる。」と分析されている。
また、人材育成に関する主な問題点は以下の通りである(複数回答)。
・「指導する人材が不足している」(58.1%)
・「人材を育成しても辞めてしまう」(53.7%)
・「人材育成を行う時間がない」(49.7%)

私は、所属部門の能力開発や人材育成の仕事も担当していたが、知識創造理論の権威とされる野中郁次郎氏の「組織的知識創造理論」を学び、個人が創造・習得した知識を組織全体の知識に変換する仕組みづくりなら組織で実践できるのではと考えた。そのため、「学習する組織」をめざして組織的知識創造活動を自らのやり方で試みてはみたが、難しかったことを思い出すと懐かしい。

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