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社員の現場力向上~長屋 勝彦~

2019/12/25
長屋 勝彦

 令和元年も残すところ1週間となった。
 メールを見ていたら、現場社員の組織力向上研修テーマの項目に、「現場力向上の養成」という言葉が目に入った。

 日頃から顧問先の社員に、「原理・原則に即した実践的行動」として「基本に立ち返り担当する仕事の問題解決」、「現場・現物・現実に基づく3現主義の徹底」を説いているが、「現場力」をどの様に定義するのかが気になり、この言葉のキーワードとして、「組織力」、「現場力」について考えてみた。

 バーナードは「組織」の成立要件として組織目的、貢献意欲、コミュニケーションの3の要素が整っていることを挙げている。

 組織目的は、「企業としてのビジョンの実現であり、定量的には企業価値、付加価値、生産性といった経営目標値の達成」という事であるが、現場で働く社員にとっては付加価値を構成する、製品の品質(Q)、コスト(C)、納期(D)の達成ということになる。又、貢献意欲は組織目的を達成しようとする社員のモチベーション・やる気の醸成ということであり、コミュニケーションは社員間のコミュニケーション(意思疎通)が形成されていることになる。

 要するに、上司からの指示ではなく現場の社員が積極的、意欲的に自ら生産性向上(具体的にはQ、C、D向上)のため働くことであるということができる。

 「現場力向上」という場合、現場で働く個々の社員能力向上ではなく現場全体として能力(能率)向上をいう。例えば、野球というスポーツでいえば確実に1点を取り勝利を得るためにはホームランバッターでもバントをするという行為である。

 企業は物を生産し、販売し利益を得るという行為により企業活動が成立する。従って、企業には営業部門、生産部門、管理部門といった企業としての役割を果たすための組織が必要であり、各々の組織に現場が存在する。

 企業は規模の大小にかかわらず持続的発展が運命づけられているが、環境変化の激しい今日においては、組織に働く社員はそういった環境変化に対応するため常に自ら考え、行動することが求められていると考えた時、現場力とは「現状を改善・改革する力」であると思考する。

 年末、顧問先企業の反省会に参加するが、その企業の社長、管理者、社員と「現場力」について話し合ってみたい。
以上