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創造性開発 思考は熟成する    長屋 勝彦

2013/04/08
長屋 勝彦

「短気は損気」、「一晩眠れば別の考えが出る」という言葉を聞く。

子供の頃、親から「自分で出した結論を実行する前にもう一度考えてみろ」とかサラリーマン時代、先輩から「決して、一夜漬けのやっつけ仕事はするな」と言われた。要するに、「自分で自分が出した考えを、その考えが正しいか再考し決定せよ」ということである。

前述のような日常的なアイデア出しから世紀の大発明と言われる発明・発見に至るまで、どのようにしてアイデアを創造するか、その創造プロセスの解明に大きな意味を感じる。 一般的に、創造性の開発は、脳の働きと関連があるとされる多くの書物がある。

あるアイデアを出したいという命令が脳の神経細胞に伝わり、その神経細胞を通して大脳新皮質を刺激し、言語的、論理的思考を司る左脳、直感的、総合的思考を司る右脳を刺激し、アイデアが創造されるといわれている。そして、アイデアを出したいという意識を強く持ち続けることが発明・発見には必要であるとされている。その一例としてアルキメデスが王からの命令「王冠を壊さないで本物か、偽物かを判別せよ」に対し湯船の中で浮力の原理を発見したのは有名な話である。

又、数学者でエッセイストでもある奈良女子大学岡清教授(1971年~1978年)の言葉に、創造性開発について「徹底的に考えよ、タテヨコナナメ十文字考えぬいて、それでもだめなら寝てしまえ、寝ているうちに創造性の扉が開く」という言葉がある。絶えず一つのアイデアを出そうという強い意志が働くとその意思が脳神経を通して大脳新皮質を刺激し、寝ている間も、又、何かのきっかけにより、アイデアが出るという一例である。

よく聞く話は、眠る時もメモ帳をまくら元に置き寝ている間に、夢の中で、気がついたことがあれば忘れないうちのメモをとるということであるが、いまだかってそのような経験をしたことがない。しかし、前日考えたが、良いアイデアが出ない時でも、再度次の日に考えてみると満足するアイデアが出るといったことは経験する。

 

身近な話として、ケーススタディの事例文を考えている時、試験問題の採点で受講生のコメントを考えている時、に経験する。そのような訳で、現在、依頼された試験問題の作問は必ず一週間程度の余裕をおき依頼者に提出する。

 

創造性開発の大家であるサイバネティクスと大脳生理学より創造工学を提唱した中山正和氏は、「問題とは3日かかっても解決できない問題」であると言う。

 

ある企業の家訓として「念ずれば花開く」という言葉が額に入れ、飾られている。

今後も、集中して徹底的に考え、良いアイデア出しを行うということを通して、自己研鑽に努めるとともに、周囲の方のために貢献して行きたい。

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