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2018年度版中小企業白書の「人材育成の取組の現状」を読む 吉田健司

2018/05/28
吉田 健司

2018年度版中小企業白書の「人材育成の取組の現状」ではOJT、OFF-JT、自己啓発について次のように説明している。企業による従業員の育成の手段のうち、「OJT」は日常の業務に就きながら行われる教育訓練であり、「OFF-JT」は業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練(研修)である。また、労働者が職業生活を継続するために、職業に関する能力を自発的に開発し向上させるために行う「自己啓発」の費用の支援も企業による従業員の育成の方法として考えられる。
「OJT」と「OFF-JT」の実態は次の通りである。
企業がOJTとOFF-JT のいずれを重視しているかについては、「OJT を重視する」および「OJT を重視するに近い」の回答が大半を占めている。また、「OFF-JT を重視するに近い」、「OFF-JT を重視する」についても、双方の回答を合わせると20%を超えている。
「OFF-JT」を重視する企業も一定数存在するが、「OJT」を重視している傾向は変わらないようである。
では、「OJT」はうまくいっているのであろうか。
「OJT」を日常の業務の中で、従業員に仕事を効果的に覚えてもらうために行っている取組とした調査によると、最も回答割合が高い取り組みは「とにかく実践させ、経験させる」である。「うまくいっている」は62.3%、「うまくいっていない」は62.9%となっている。
また、「仕事のやり方を実際に見せている」は、「うまくいっている」が60.0%、「うまくいっていない」が51.2%、「仕事について相談に乗ったり、助言している」は、「うまくいっている」が56.4%、「うまくいっていない」が42.7%となっている。これらの取り組みは「うまくいっている」と感じている企業の割合が高い。
これらの結果から私が感じるのは、日常の職場でのコミュニケーションの大切さである。互いに意思や感情、思考を伝達し合うことの奥は深いと感じる今日この頃である。

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