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孫の早とちり 吉田健司

2015/07/27
吉田 健司

夏休みに入って泊りに来ている小学生の孫と過ごす時間は楽しいものである。先日、私が読書をしている隣で、夏休みの宿題にとりくんでいる様子を見て気がついたことがある。問題文を最後まで読まないで答えを書いたのが、明らかにわかる問題があり、問題文をもう一度読むように促すと、しっかり読んで答えを書きなおしていた。孫の早とちりに思わず微笑んでしまったが、早とちりする、決めてかかる 、思い込む 、つもりになる 、 勘違いする 、思い違いするなどはコミュニケーションでよく起こることではないだろうか。
たとえば電話対応のケースで、電話が終わった担当者に、何の話をしたか聞いてみると、「○○についてお願いした」と返ってくる。このお願いしたが問題である。この時点で担当者は、ボールはお客さまにあると思っている。このようなケースでは、電話をしたお客さまの説明に対する反応や、お願いに対する具体的な行動の予告などがあったかなどを担当者に確認し、ボールは本当にお客さまにあるのかをチェックする。担当者はボールがお客さまにあると思っていても、お客さまにその認識がない場合は、結果としてお客さまへの対応が遅れることになる。クレームの芽にもなる。チェック・アクションの指導は大切である。
たとえば、クレーム対応で、お客さまの話をよく聞いてみると、担当者の伝えたいこととお客さまの受け止めたことが相違していることがある。聞くスキルの問題、話すスキルの問題、説明するスキルの問題、論理的な思考スキルの問題などいろんな改善項目が考えられるだろうが、このような部下に、私が経験からまず指導する点は、情報の非対称性である。情報の非対称性は、取引される商品等に関して当事者がもっている情報に当事者間で格差があること、市場取引における買い手と売り手の当事者がもっている情報が不均衡であることなどと説明される。この情報の格差や不均衡がお客さまとの関係で存在していることを、わかってコミュニケーションをする程度では不十分で、常に意識し、情報の非対称性が関係してお客さまにわかりにくい説明になっていないか、振り返りながらコミュニケーションをするのが基本であると、指導する。
私は、情報の非対称性を広く違いととらえ、あらゆる場面で意識できるようになりたいと思っている。

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