ブログ長屋勝彦

昨日、クライアントと仲間から提案書作成とカリキュラム作成の依頼を受けた。一つ目はD社の人事評価制度の仕組みの構築、二つ目はYさんからの経営革新のカリキュラム作成である。D社社長とは茨城県中小企業振興公社の仕事をしていた時からの既知の仲であり、先月東京都中小小企業診断士協会の実務従事事業を指導員として診断した企業である。

 前者は来週末のD社の役員会にかけるため、その前日までに人制度構築に関する提案書提出を作成して欲しいとの依頼である。社長は、「私も土日にも働いているから、あなたも経営者であれば土日で提案証を作成することができる。」ということで来週末の役員会までに間に合わせ提案することを約束した。

 社長の提案に対して、ざっくりとした金額を提示したが高いというイメージを持たれた。その額は中小企業でなければ当然受け入れられる妥当な額である。社長は前回依頼した中小企業診断士の報酬を25千円/日で引き受けてもらったが、今回の提案の報酬が高いのではと考えておられるようである。これに対し、「公的支援機関からの支援も前提にベストプライスにより作成するが、これからの成長を期待するのであれば提案の内容をみて欲しい、安かろうの提案ではなく、貴社にジャストフィットした提案をしたい。」という話をした。又、ジョークを交え、「企業として飛躍するためには一流を目指すべきで、何時までもラーメンライスではなく、たまには寿司、フランス料理も食べる必要があると思う。」というようなことを話した。社長とはざっくばらんに話ができる間柄であるということを想定しての話である。これに対し、「そうかもしれない、しかし、今景気が良いといって財布のひもを緩めるわけにいかない、オリンピック後は落ちることが明白だから。」いう言葉を聞いた。商工会議所、中小企業活性化センターと相談しベストプライスを出すにしても、「オリンピック後を考えると今は景気がいいからという気持ちにならない、気持ちを引き締めなければならない。」といわれた社長の言葉は耳に残った。

 二つ目のカリキュラム作成はS商工会議所のカリキュラム作成で経営指導員向けの経営革新に関するものである。こちらの方は話の内容を電話で聞きながら大体の構想を固めることができた。それでも研修時間5時間という短時間に必要な内容をどう盛り込むかは工夫が要ると思った。カリキュラムは帰宅後作成に取り掛かり途中まで作成し、多分寝ている間にアイデアが出るだろうと思い就寝した。

 案の定、二つのことが気になりいつもより早く目が覚めた。起床しすらすらと完成させることができた。そして、9時早々に千葉県中小企業経営支援センターに連絡し人事評価制度構築についての支援の可能性を聞いた。当センターの話では支援は可能であるが、その前に身元を確認したいのでD社から当センターに直接電話をして欲しいとのことであった。早速D社にその旨を伝えた。その時社長に、週末の土日で提案書の作成を約束したが、週明けには出張が入っているので納期までの提出は困難である旨の話をした。社長から「早急に電話する。納期のことは気にしないで欲しい。」ということを言われた。D社長は創業者でワンマン経営者である。役員会は社長の裁量で処理されると思った。しかし、翌日、先に話した見積の内容(企画書)はメールで伝えた。

 創造性開発のオーソリティ元奈良女子大の中山正和教授は、「アイデアだしは寝ている間に出てくる。それまでに、物事を縦から、横から、ななめから眺め、それでも、でなければ寝ることである。アイデアは寝ている間に熟成する。」といわれた。又、指導者の間では「血の小便が出るまで努力せよ。」と言われている。血の小便はしたことがないが要するに物事に集中して全霊を傾けて取り組めということかと思う。

 70歳をはるかに過ぎた身ではあるが、アイデアだしは年を越えて必要であり、アイデアがでたときの感動は素晴らしいものであると思うこの頃である。人事制度構築は診断士となってしたい仕事の一つであるが、今回はそこ(感動)までには至っていない。
以上

思考は夜開く 【長屋勝彦】

2015/03/09
長屋 勝彦

昨日、クライアントと仲間から提案書作成とカリキュラム作成の依頼を受けた。一つ目はD社の人事評価制度の仕組みの構築、二つ目はYさんからの経営革新のカリキュラム作成である。D社社長とは茨城県中小企業振興公社の仕事をしていた時からの既知の仲であり、先月東京都中小小企業診断士協会の実務従事事業を指導員として診断した企業である。

 前者は来週末のD社の役員会にかけるため、その前日までに人制度構築に関する提案書提出を作成して欲しいとの依頼である。社長は、「私も土日にも働いているから、あなたも経営者であれば土日で提案証を作成することができる。」ということで来週末の役員会までに間に合わせ提案することを約束した。

 社長の提案に対して、ざっくりとした金額を提示したが高いというイメージを持たれた。その額は中小企業でなければ当然受け入れられる妥当な額である。社長は前回依頼した中小企業診断士の報酬を25千円/日で引き受けてもらったが、今回の提案の報酬が高いのではと考えておられるようである。これに対し、「公的支援機関からの支援も前提にベストプライスにより作成するが、これからの成長を期待するのであれば提案の内容をみて欲しい、安かろうの提案ではなく、貴社にジャストフィットした提案をしたい。」という話をした。又、ジョークを交え、「企業として飛躍するためには一流を目指すべきで、何時までもラーメンライスではなく、たまには寿司、フランス料理も食べる必要があると思う。」というようなことを話した。社長とはざっくばらんに話ができる間柄であるということを想定しての話である。これに対し、「そうかもしれない、しかし、今景気が良いといって財布のひもを緩めるわけにいかない、オリンピック後は落ちることが明白だから。」いう言葉を聞いた。商工会議所、中小企業活性化センターと相談しベストプライスを出すにしても、「オリンピック後を考えると今は景気がいいからという気持ちにならない、気持ちを引き締めなければならない。」といわれた社長の言葉は耳に残った。

 二つ目のカリキュラム作成はS商工会議所のカリキュラム作成で経営指導員向けの経営革新に関するものである。こちらの方は話の内容を電話で聞きながら大体の構想を固めることができた。それでも研修時間5時間という短時間に必要な内容をどう盛り込むかは工夫が要ると思った。カリキュラムは帰宅後作成に取り掛かり途中まで作成し、多分寝ている間にアイデアが出るだろうと思い就寝した。

 案の定、二つのことが気になりいつもより早く目が覚めた。起床しすらすらと完成させることができた。そして、9時早々に千葉県中小企業経営支援センターに連絡し人事評価制度構築についての支援の可能性を聞いた。当センターの話では支援は可能であるが、その前に身元を確認したいのでD社から当センターに直接電話をして欲しいとのことであった。早速D社にその旨を伝えた。その時社長に、週末の土日で提案書の作成を約束したが、週明けには出張が入っているので納期までの提出は困難である旨の話をした。社長から「早急に電話する。納期のことは気にしないで欲しい。」ということを言われた。D社長は創業者でワンマン経営者である。役員会は社長の裁量で処理されると思った。しかし、翌日、先に話した見積の内容(企画書)はメールで伝えた。

 創造性開発のオーソリティ元奈良女子大の中山正和教授は、「アイデアだしは寝ている間に出てくる。それまでに、物事を縦から、横から、ななめから眺め、それでも、でなければ寝ることである。アイデアは寝ている間に熟成する。」といわれた。又、指導者の間では「血の小便が出るまで努力せよ。」と言われている。血の小便はしたことがないが要するに物事に集中して全霊を傾けて取り組めということかと思う。

 70歳をはるかに過ぎた身ではあるが、アイデアだしは年を越えて必要であり、アイデアがでたときの感動は素晴らしいものであると思うこの頃である。人事制度構築は診断士となってしたい仕事の一つであるが、今回はそこ(感動)までには至っていない。
以上

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

10年振りのD社の企業診断 【長屋勝彦】

2015/02/22
長屋 勝彦

 7年振りに中小企業診断士6名で1か月の予定でグループ診断を行った。D社は10年前、実補修指導員として診断を行ったことがある。D社社長とは茨城県中小企業振興公社勤務時代に受注・販路開拓エキスパートとしてお世話になって以来、メール等でやりとりをしている。

 D社長は新潟県から単身上京し管工事業を起こし一代で従業員40名の会社に育て上げた苦労人である。10年前は年商10億円の会社であったが、官民の好調な設備投資の影響を受け現在は年商16億円、当期利益0.5億円の優良企業である。社長から診断に当って、4月から始まる来期の経営指針つくりを依頼された。同時に、5年かけて従業員の中から後継者指名のための分社化体制作りも依頼された。

 今回は、中小企業診断士協会の主催する実務従事事業として行うため、診断企業、案件の特徴を記載した申請書を作成しWEBによりメンバーを公募した。幸い、公募開始後20分弱で定員に達し案件として成立しスタートすることができた。しかし、公募要件として高度な診断ノウハウ提供という文言にチェックしたものの今一つ不安を抱き、副指導員を知り合いの診断士に依頼した。

 結果は案ずるより産むがやすし、メンバーはいずれも多彩で有能、これまでの振返りとともに来期から5年間の事業計画を作成、これを踏まえた来期の経営指針を作成した。その報告会を今月末社長に行う予定である。ちなみに5年後は繰越利益額が負債を上回る企業となるが、一層の成長を目指すためには獲得した利益でどのような投資を行うかをメンバーで議論した。

 社長は5年後70歳、ご子息はおられるが事業承継の意思はなく従業員に株式を譲渡し、一線を引かれるという。その時も気力、体力は充実されていると思う。世のため、人のために働いてこられた社長の真のビジョンは何であろうかと考えるこの頃である。マズローの欲求段階説では自己実現が最も高次の欲求であるというが、その後は、真善美の追求であるという。翻って社長より年配の自分自身はどうか。診断報告会終了後その後の人生観について聴きたいと思うこの頃である。
以上

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箱根駅伝に想う 【長屋勝彦】

2015/01/12
長屋 勝彦

今年も1月2日、3日と箱根駅伝をテレビでみた。今年は創部97年、箱根駅伝20回目の出場の青山学院が初優勝した。沿道の風景、観戦者、監督、選手の表情を交え競技の状況を見るのが楽しみであり、箱根駅伝が終わると「正月も終わったかな」という気分になる。

 何故、箱根駅伝をみるのかというと、駅伝を通して解説者がエピソードも交えて紹介する選手やその家族、監督の言動についての話をききながら、自分の人生と重ね合せ思いを巡らしてながら見れるからである。

 「育ててくれた今は亡き親への感謝をこめて」というアナウンサーの言葉に「頑張れ」と言いたくなる。今年ほほえましかったのは走る一人の選手について「最近付き合う彼女ができたことです」という紹介があった。「良かったね」と言いたくなる。又、沿道で親が自分の子が走る姿を応援する姿をみれば、自分もその子の親であれば応援に行くであろうと思ったりもする。

 中でも、監督が後方で車上から選手にかけるとばす激にも指導者としての情熱とともに選手に対する思いやりを感じ、感銘を受ける。「この調子で突っ走れ」、「これまでの苦労を無駄にするな」、「今年で最後だ、悔いのない走りをしよう」、ブレーキを起こし意識が薄れた選手に、「校歌をうたった」といった監督の言葉が解説者から紹介される。競技終了後の監督インタビューで、「箱根を活躍の土台にして羽ばたいて欲しい」といった言葉にも共感を覚えた。

 翻って、今年は経済成長の正念場である。経済成長を支えるには起業・創業活動を活発にすることである。今年は小規模事業者に対し更なる支援としてハンズオンの中小企業施策が用意される。中小企業施策では中小企業診断士は人生を賭して取り組む起業・創業者の伴走者として支援する必要があると中小企業白書では言っている。

 単に正論をいい、進めるのではなく創業者の立場に立って創業者の長所を伸ばすことを念頭に行動することが大切であると箱根駅伝をみながら一人思った。勿論、顧問先の社員にも愛情を込めた指導が必要であることは言うまでもない
以上

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おもてなし研修に参加して 【長屋勝彦】

2014/12/21
長屋 勝彦

過日、町田の顧問先の社長と多摩センターで開催された「おもてなし研修」に参加した。講師は、大阪の飲食店の女性経営者の方で先代の父親から倒産寸前の事業を長兄の方と引き継ぎ、さまざまな苦労を重ね大阪の観光名所にまで発展させた方で、お客様に役立ち、喜んでもらえる店作りという視点から、専業主婦が事業を引き継ぎ苦労された成功談、失敗談を交え2時間という長時間を原稿なしで話をされた。その内容は、おもてなしの心は相手の立場に立ち相手が感動するサービスを提供することにある、というものであった。

 講演は単純にあらかじめ用意した原稿(テキスト)に従って進めるのではなく、自身の言葉で、感情をこめ、動作を交え物語を語る語り部、というよりその方が舞台で演じておられる一人芝居を見ているような感じを受けた臨場感のある講演であった。その話し方に聞き入っておられる受講者の方も大勢おられた様に思う。 

 おもてなしの話で思い出すのは、長浜城主となった秀吉が鷹狩の帰りに、寺に立ち寄りお茶を所望した時にお茶を差し出す石田光成の三献の茶である。又、話を聞いていて小学低学年の夏の暑い昼さがり、知り合いの人の不意の訪問を受けた母親が冷たい井戸水に砂糖を混ぜて出したことを思い出した。その相手の人がどのような気持ちで砂糖水を飲んだかは忘れたが、母親の心使いに感謝したと思う。

 翻って、自分の行う研修、講演、コンサルはどうであろうか。知識の提供に終始しているのではないか、コンサルとして提供するサービスにクライアントは満足しているのか、といったことを自問自答した。研修は気付きを与えるものであり、気づいたことを自分の日常の行動に反映させる必要があるということを受講者に言っているが、受講者が聞き入ってくれることが前提となる。

 そのためには、研修に対し、プレゼンの仕方について工夫するとともに、自己形成についての研鑽を重ね、受容の精神で臨む必要があると感じた。
以上

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦

~アイススケートの萩生選手の衝突に思う~ 使命感 【長屋勝彦】

2014/11/10
長屋 勝彦

A社の顧問を引き受けて10余年の月日が経つ。最初は社長の経営相談から始まったが現在は新入社員から経営幹部に至るすべての階層の従業員の教育にあたっている。社長は27歳の時、身一つ、腕一つから3人の仲間と会社を起こし独立した方で、仕事熱心な方であるとともに、教育熱心な方でもある。

 毎月3日間A社の工場に出向き社長が若い時に大枚をはたいて購入したアンドリューカーネギーの「思考は現実化する」というテーマのテープレコーダーの一巻を聞き、参加者にテープの内容に沿った課題を出し、作文を書いてもらい、職場の仕事関係、人間関係等の問題について語ってもらうことにしている。この語らいを通じて受講者本人の問題はその場でアドバイスし、全体又は経営トップに関する問題は社長に提言し、その結果を社長を通じあるいは本人にフィードバックするようにしている。

 小職の指導の他、製造技術に関する問題についても専門家のコンサルタントに依頼し力量アップに努めている。しかし、農耕民族の性格というか真面目で、協調性はあるが、あえて現状を打破し改革しようとするチャレンジ精神に乏しく、専門家のアドバイスを謙虚に受け入れようとする姿勢が見られない。

 当社の経営は、このような従業員の勤務態度が影響してか、景気の良い時は利益を生むが、不況になると赤字に転落し資金振りに難儀をしている。従業員に、景気の如何にかかわらず、常に成長できる企業となるには、各従業員がなにをしなければならないかの自覚と必ず達成させるという強い使命感を持ち仕事にあたること必要であるということをことあるごとに言っている。このことは、アンドリューカーネギーのいう、あるべき姿を描き、その達成に向け情熱と信念を持ち進むという教えに通じる。

 昨夜おきた中国グランプリ大会でのアイススケートの萩生選手の事故に対する同選手及び関係者のとった行動は衝撃的であった。このことについてはいろいろな意見が寄せられている。いろいろ意見春が、自分の使命を果たすことが最優先課題であるということが同選手の頭を過ぎりあのような行動になったのかと思う。同時に平成13年夏場所優勝決定戦で貴乃花が周囲の反対を押し切りけがをおして武蔵丸を破り優勝したことが思い出された。

 自分自身のこれからも考えず自らの信念を貫く行動をとることがあってもよいと思った。A社については、あきないで一人でも多くの人が自分の仕事に誇りを持ち力量向上のためやる気を持つよう指導することが使命であると思うこのごろである。
以上

カテゴリー:  経営情報, 長屋勝彦