ブログ吉田健司

以前も書いたが、私は古代中国の古典を読み、関連する歴史を学び、古代中国を題材とした小説を楽しんでいる。その一方で中国の古典を学ぶことの意味を考え続けている。
最近になって心境の変化があった。私の興味は、長い間春秋・戦国時代にあった。今でもそれは変わらないが、その後の秦、漢、三国の時代も学ぼうと思うようになった。理由は、そろそろ宮城谷昌光氏の三国志を読みたいからである。

私は宮城谷昌光氏の歴史小説の愛読者である。30代前半から40代前半は司馬遼太郎作品を繰り返し何度も読んで、多くのことを学んだ。同様に宮城谷昌光作品からも多くのことを学んでいる。

ただ、時代は秦以前が中心であった。最近になって、漢王朝を作った劉邦、後漢王朝を打ち立てた光武帝を主人公とした作品も読むようになった。合わせてその時代を題材にした講談社学術文庫や中公新書を読んでいる。
私は、中国古典はその思想家が活躍した時代(秦以前)と思想が書物として成立する時代(漢以後)が異なっていると漠然と思っていたが、そこに政治的な影響の重みを感じることができ、学べば興味深いものがある。

そのため、宮城谷氏の三国志を読む前に、漢、後漢、三国時代について研究者の書した講談社学術文庫や中公新書を読んで学んでいる。これは初めての試みだが、史実について自分なりの予備知識を持ってから、小説を読みたいと考えてのことである。そうすることで新たな学びがあると自分自身に期待している。

「漢・後漢」の時代も学べば興味深いものがある 吉田健司

2019/12/23
吉田 健司

以前も書いたが、私は古代中国の古典を読み、関連する歴史を学び、古代中国を題材とした小説を楽しんでいる。その一方で中国の古典を学ぶことの意味を考え続けている。
最近になって心境の変化があった。私の興味は、長い間春秋・戦国時代にあった。今でもそれは変わらないが、その後の秦、漢、三国の時代も学ぼうと思うようになった。理由は、そろそろ宮城谷昌光氏の三国志を読みたいからである。

私は宮城谷昌光氏の歴史小説の愛読者である。30代前半から40代前半は司馬遼太郎作品を繰り返し何度も読んで、多くのことを学んだ。同様に宮城谷昌光作品からも多くのことを学んでいる。

ただ、時代は秦以前が中心であった。最近になって、漢王朝を作った劉邦、後漢王朝を打ち立てた光武帝を主人公とした作品も読むようになった。合わせてその時代を題材にした講談社学術文庫や中公新書を読んでいる。
私は、中国古典はその思想家が活躍した時代(秦以前)と思想が書物として成立する時代(漢以後)が異なっていると漠然と思っていたが、そこに政治的な影響の重みを感じることができ、学べば興味深いものがある。

そのため、宮城谷氏の三国志を読む前に、漢、後漢、三国時代について研究者の書した講談社学術文庫や中公新書を読んで学んでいる。これは初めての試みだが、史実について自分なりの予備知識を持ってから、小説を読みたいと考えてのことである。そうすることで新たな学びがあると自分自身に期待している。

カテゴリー:  人材育成, 吉田健司

平成30年度「能力開発基本調査」について その2   吉田健司

2019/11/26
吉田 健司

前回に引き続き、平成30年度「能力開発基本調査」の取りまとめ結果から、「自己啓発を行う上での問題点」をテーマとして取り上げる。なお、能力開発基本調査の用語の説明では、自己啓発を、「労働者が職業生活を継続するために行う、職業に関する能力を自発的に開発し、向上させるための活動をいう」としている。

労働者全体では 76.4%が、自己啓発を行う上で何らかの問題があると回答している。正社員の79.9%、正社員以外の70.5%が問題あると回答している。

自己啓発における問題点の質問項目と問題があるとする割合は次の通りである。
・仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない(正社員59.3%、 正社員以外36.7%)
・費用がかかりすぎる(正社員27.9% 、正社員以外29.8%)
・家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない(正社員24.7% 、正社員以外35.5%)
・どのようなコースが自分の目指すキャリアに適切なのかわからない(正社員22.3% 、正社員以外21.8%)
・自分の目指すべきキャリアがわからない(正社員19.2% 、正社員以外22.5%)
・自己啓発の結果が社内で評価されない(正社員17.7% 、正社員以外10.5%)
・適当な教育訓練機関が見つからない(正社員15.0% 、正社員以外18.8%)
・休暇取得・定時退社・早退・短時間勤務の選択等が会社の都合でできない(正社員12.9% 、正社員以外8.8%)
・コース等の情報が得にくい(正社員12.5% 、正社員以外14.5%)
・コース受講や資格取得の効果が定かでない(正社員11.9% 、正社員以外10.0%)

上記より、「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」、「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」と時間的な問題を抱えている人の割合が高いのが見てとれる。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の実施する生産性向上支援訓練のモデルコースにおいても時間管理に関する訓練を実施しており、私も講師を経験したが、短期的で優先度の高い仕事に日々没頭している状況を変える難しさを痛感している今日この頃である。

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平成30年度「能力開発基本調査」について その1   吉田健司

2019/04/22
吉田 健司

  厚生労働省から平成30年度「能力開発基本調査」の取りまとめ結果が、公表されている。以前にもテーマとして取り上げたが、「能力開発基本調査」は、国内の企業・事業所と労働者の能力開発の実態を明らかにすることを目的として、平成13年度から毎年行われている。私は、生産性向上支援訓練の指導者として、企業のOFF-JTに関わることが増えているので、何回かに分けて、気になるテーマを取り上げてみたい。
 

  本調査において、OFF-JTは、業務命令に基づき、通常の仕事を一時的に離れて行う社内外の教育訓練(研修)のことをいう。

  OJTは、直接の上司が、業務の中で作業方法等について、部下に指導することなど、日常の業務に就きながら行われる教育訓練のことをいう。

  計画的なOJTは、日常の業務に就きながら行われる教育訓練(OJT)のうち、教育訓練に関する計画書を作成するなどして教育担当者、対象者、期間、内容などを具体的に定めて、段階的・継続的に実施する教育訓練をいう。
 

  2年以上前になるが、私は、企業で「計画的なOJT」にあたる教育訓練を組織に導入定着させる取り組みを長年行ってきたので、「計画的なOJT」を実施する事業所が毎年増加してほしいと思う、とブログに書いた。

  今回の 公表結果によると、平成29年度に正社員または正社員以外に対して計画的なO J T を実施した事業所は65.3%であった。
・正社員と正社員以外の両方に対して実施(23.4%)
・正社員のみに対して実施(39.4%)
・正社員以外のみに対して実施(33.5%)

  職層等別に見ると計画的なO J T の実施状況を見ると以下の通りであった。
・正社員では新入社員が55.7%、中堅社員が39.1%、管理職層が21.8%
・正社員以外では28.3%

  統計のまとめ方の変更も有り単純比較はできないが、大きく伸びたようには感じられない。私は、すべてのO J Tが計画的なO J Tとなってほしいと思う。そして、全社員に対して計画的なO J T行われるようになることを願っている。

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2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を読む 吉田健司

2019/03/24
吉田 健司

  2018年6月のブログで紹介した独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構生産性向上人材育成支援センターが実施する生産性向上支援訓練の関係で、企業活動の原動力となる人材の活用面に係る取組をもっと学びたいと思うようになり、2018年度版中小企業白書の「多能工化・兼任化の取組」を精読した。

 「多能工化・兼任化の取組」は、業務量の平準化や業務の効率化に寄与するとされている。その理由は、多能工化・兼任化を行うことで、繁忙期となっている部署や工程に労働力を融通することが可能だからである。以下では、白書より「人手不足対応に向けた生産性向上の取組に関する調査」の分析内容を概観する。

 中小企業における従業員の多能工化・兼任化に取り組んでいる企業は73.3%で、製造業に限ると88.1%が取り組んでいる。従業員の多能工化・兼任化を進める際にあわせて行った取組は、業務マニュアルの作成・整備(47.2%)、従業員のスキルの見える化(34.9%)が特に高くなっている。

 また、多能工化・兼任化による各効果を感じている企業の割合は、業務見直しを実施した企業において高く、従業員の能力向上(54.8%) 全体の業務平準化による従業員の負担の軽減(37.8%)、繁忙期・繁忙部署における業務処理能力向上(36.9%)、従業員間のコミュニケーションが増え職場の活性化につながった(21.4%)、担当者不在時の対応力が向上し休暇取得が容易になった(18.6%)などの効果をあげられている。

 一方、多能工化・兼任化に取り組む上の課題としては、多能工化を進めるための時間的余裕がない(42.1%)、多能工化を主導できる人材が社内にいない(28.9%)、業務負担増加を懸念する従業員からの反発(19.9%)などがあげられている。

 このように見ていくと、多能工化を考えている企業は、時間管理の面から自社の現状を分析する必要があるように思う。

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「分ける」を意識して考える 吉田健司

2019/02/25
吉田 健司

 以前コラムで紹介した「社会人基礎力」の3つの能力は以下の通りである。
1. 前に踏み出す力(アクション) ~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
 主体性、働きかけ力、実行力
2. 考え抜く力(シンキング)~疑問を持ち、考え抜く力~
 課題発見力、計画力、創造力
3. チームで働く力(チームワーク)~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~
 発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力
 私は、これらのスキルをどのように磨いていけばよいのか、どこから手を付けたらよいのか、土台になるものはないかなどについて、自問自答することがある。そんな日常の中、「分ける」は有用であると思うようになってきた。
 私が特に意識している「分ける」はコーチングで学んだチャンクダウンである。あるイメージの塊(チャンク)を小さな塊にしていく。抽象的なものがより具体化することで行動に結びつきやすくなる。
  小さな塊にしていく過程はピラミッドストラクチャ構造を理解する時にも役立つ。ロジックツリーを使って原因を追究する場合や解決策を具体化する場合も、分けることは大切である。ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー構造は、マトリクスでロジックツリーが表現できることから仕事でよく活用した。エクセルを使って階層レベルを合わせながら、もれや重複のないように整理するのに便利である。
 目標は個人単位までブレイクダウンすることで一人ひとりの行動につながる。ただ、ブレイクダウンする過程ではつながりを大事にする必要がある。いわゆる目標の連鎖である。
 いろんなビジネス・スキルを「分ける」をキーワードに学び直そうかと思う今日この頃である。

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